アメリカ留学と聞くとカリフォルニア州ロサンゼルスやニューヨークなどの有名大都市での留学を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。
観光先としてはこのような大都市はピッタリかもしれませんが、いざ留学するとなると話は別です。
そこで今回は、あまり知られていないが留学する場所として非常に適しているアリゾナ州での留学を特徴からメリットやデメリット、実際の留学方法や準備まで徹底解説していきます。
これから留学先を検討しようと考えている方、是非参考にしてみてください。
アリゾナ州とはどのような特徴があるのか
アリゾナ州はアメリカ南西部に位置し、カリフォルニア州やメキシコに隣接しています。
州都であるフェニックスの人口は近年伸び続けて今や160万人を超え、全米で5番目に最大の都市と言われています。
アリゾナ州はサマータイム(夏時間)を実地しておらず、通年で日本より16時間遅れています。
アリゾナ州の特徴
気候
アリゾナ州といえば夏が非常に暑いことで知られています。夏の7月から8月にかけては気温が40度以上になることも珍しくなく、乾燥したジリジリとした強い日差しが特徴的です。
しかし日本の夏とは違い湿気がないためまとわりつくような暑さはなく、40度を超えていても汗はそれほどかかず日陰は風が吹いていれば涼しく感じ、日本の夏よりも過ごしやすく感じる人もいるかもしれません。
冬は少し気温が落ちますが、都市部ではダウンやコートは必要ないでしょう。また、一年を通して降水量が少ないことがとても特徴的です。夏の酷暑を除けばとても過ごしやすい気候と言えるでしょう。
大自然
アリゾナ州は圧巻の大自然を体験できる場所が多くあることでも有名です。
誰もが1度は耳にしたことがあるであろうグランドキャニオンを始めとしたたくさんの世界自然遺産に登録されている大自然がアリゾナ州では楽しめます。
様々な人種がいる
アリゾナ州はメキシコに接していることもありヒスパニック系の割合が高いです。
また、アジア系の割合も高く、アジアンスーパーやアジアンレストランも多く存在します。
毎日夕日の絶景を楽しめる
アリゾナ州は乾燥した気候のため晴れている日が多く、空気が澄んでいる日が1年をとして数多くあるのできれいな夕焼けを毎日のように見ることが出来ます。
そのこともあってか特に州都フェニックスは太陽の谷と呼ばれています。
アリゾナ留学のメリット
アリゾナ留学のメリットをご紹介します。
一年を通して晴れの日が多い
天候は見落としがちかもしれませんが、留学先を選ぶうえで非常に重要な要素になってきます。
アリゾナ州は一年を通して滅多に雨が降ることはなく、快晴の日がほとんどです。天候に恵まれてか人々は陽気でおおらかな印象が強いです。
留学生にとって1度は経験するであろう苦悩の時期に太陽の光を感じられるか、それともどんよりした天気であるかは精神状態に大きな違いがあります。
悩み事があっても天気を気にせず外に出て太陽のもとでリフレッシュできる環境は留学生にとって非常に重要ですよ。
自然を楽しめる
アリゾナ州はあちこちにハイキングを楽しめる山が点在しており、都市部でも日帰りの気軽なハイキングを楽しめるハイキングスポットは数多くあります。
北上すると世界遺産であるセドナやグランドキャニオン、アンテロープキャニオンなど世界を代表する自然遺産を訪れることが出来、圧巻の景色を楽しめるでしょう。
日本人が多すぎず、少なすぎない
日本人にも馴染みのあるロサンゼルス、シアトル、ニューヨークなどはすでに多くの日本人が留学、在住しており、あまり英語を使わずに日本語を多用して生活していくことも不可能ではなく、英語勉強の妨げになりうる可能性があります。
逆に内陸や東海岸のほとんど日本人がいないところは日本食が手に入りにくかったり、どこか孤独で心配に感じることもあるかもしれません。
アリゾナ州の州都フェニックス周辺は程よい大きさの日本人コミュニティがあり、英語習得の妨げにもならず、快適に安心して生活することが出来るでしょう。
物価が安い
アリゾナ州の州都フェニックスは全米5番目の大都市であるにもかかわらず、他のニューヨークやロサンゼルスに比べて物価が格段と安く設定されています。
特に家賃が安く、1か月5~9万円程度でとても立派なアパートに住むことが出来ます。
アパートと言っても日本のアパートとは違いプールやジムがついているマンションのようなものが多く安く快適に過ごすことが出来るでしょう。友達とルームシェアをすればさらに安く抑えられるかもしれません。
アリゾナ留学のデメリット
もちろんアリゾナ留学にはデメリットや注意点があります。
1. 移動手段があまりない
これはアメリカ全土に共通して言えることかもしれませんがアリゾナ州は都市部でも交通機関がそこまで発達していません。
電車やバスは少しありますが、目的地にそれらのみで到着することは難しく、車を持つかUberなどのサービスを使う必要があります。日々の買い物をすることも車が無いと不便に感じるかもしれません。
2. 日本からの直行便が無い
フェニックスにあるフェニックススカイハーバー国際空港へは日本からの直行便は飛んでおらず、ロサンゼルスやサンフランシスコ、シアトル経由で行くことが一般的です。
乗り継ぎをしなければならないので例として東京から行くとすると17時間ほどかかってしまいます。
留学方法と費用
留学の方法や費用に関しては地域によって多少変わりますが基本アメリカのどの州でも同じなのでここではアリゾナに限らずアメリカに留学する場合を並べていきます。
1. 日本の大学の交換留学プログラムを利用する 期間:半年~1年(稀に2年)
この方法が今現在日本で多く知られていてメジャーな留学方法であると思います。これは日本の大学に在籍しながらその学校が協定しているアメリカの学校に派遣される形で留学する方法となります。
交換留学と言われ、日本の学校の授業料を払いながら現地の大学で学ぶことが出来るプログラムです。
アメリカの大学の授業料は日本と比べて非常に高いので費用を抑えて留学できることがこの方法の一番の魅力と言えるでしょう。
アメリカの大学に直接入学して留学する場合、1年間の費用は学校によって異なりますが、学費や家賃、生活費を全て込みで考えると最低でも400万円以上はかかると思います。
しかし交換留学をすれば日本の大学の授業料と合わせて250万円ほどに抑えることが出来ます。欠点としては期間が限られていることや留学先の選択肢が限られていることなどがあります。
2. 現地のコミュニティカレッジに入学する 期間:2年~4年
次に近年メジャーになりつつある留学方法として現地のコミュニティカレッジに入学する方法を紹介します。
コミュニティカレッジとは日本でいう短期大学に近いもので、2年生の大学となります。
この方法はまずコミュニティカレッジに入学し、2年間勉強した後、3年生として現地の4年生大学に編入するというものであり、近年この留学をする日本人学生を多く目にします。
この方法のメリットとしては通常の4年生大学に始めから直接入学する場合と比べて費用を大幅に抑えることが出来るうえに海外の大学の学位を取得できるところにあります。
また、入学の際に求められる英語力は低く、英語力に自信がなくても入学を目指すことが出来るところがあります。
欠点としては講師や周りの学生が4年制大学と比べて低いことが挙げられます。
費用としては学校や地域にもよりますが、1年間で100万円から150万円ほどです。これは4年制大学で学ぶ場合の半額かそれ以下の金額に相当します。
3. 現地の大学に直接入学 期間:4年
この留学は正規留学と呼ばれ日本の高校を卒業後、コミュニティカレッジや語学学校に行かず直接アメリカの4年生大学に入学する方法です。
この留学では実際に現地の大学で現地の学生と同様に学生生活を送るため、アメリカの大学生生活を存分に体験できます。
また、講師や学生のレベルは高く、人脈形成にも最適な環境と言えます。
卒業すれば学士号を取得でき、日本のみならず世界中において就活の際役に立つことでしょう。
英語力はもちろんのこと、学力や自己管理能力、精神力など自分を成長させることに1番適した留学方法であると考えます。
欠点としては費用がほかの留学方法と比べてとても高いことが挙げられます。その値段は場合によっては1年間で400万円ほどやそれ以上する場合もあります。
また、入学時に求められる英語力は高いところが多く、TOEFLやSAT(日本のセンター試験のようなもの)といった試験で高得点を取ることが求められます。
しかし、費用の件に関してはアメリカは日本に比べて奨学金制度がとても充実しており、返済不要の給付型奨学金も多くあります。
4. 語学学校に入学 期間:人による
語学学校に入学することでの留学は誰にでも比較的簡単にできることが長所として挙げられます。
日本で英語の語学学校に通うこともできますが、実際に生活でも英語が必要になることで日本の語学学校に通う場合よりも英語力の向上が期待できます。
また大学やコミュニティカレッジに通うよりも費用を抑えられ、授業料としては学校によりますが大概1ターム10万円から20万円程度です。
語学学校には様々な人が通っており、目的も人それぞれです。
欠点としては周りの学生も自分と同レベルの英語力を持つ外国人生徒なので日常的にネイティブと話す機会は少なく、英語力は実際に現地の大学やコミュニティカレッジに通う場合に比べ伸びにくいことが挙げられます。
上記以外にも留学方法がありますが、以上の4つがメジャーなアメリカへの留学の仕方です。
目的によって留学の仕方は異なるので期間や費用などを考慮し自分に合った留学方法を見つけることをお勧めします。
留学準備
留学の準備の仕方は方法によって異なります。
• 交換留学
1. 行きたい大学選び
2. 留学に必要なTOEFL スコアを取る
3. 大学を通して出願
4. パスポートと学生ビザの取得
5. 渡米
• コミュニティカレッジ、4年制大学へ正規留学
1. 行きたい地域と大学を決める
2. Admissions officeに送る書類を準備する
願書
エッセー(自己アピール)
推薦状
高校や大学での成績
TOEFL, SATの結果
パスポートのコピー
3. 出願
4. パスポートとビザの取得
5. 渡米
• 語学留学
1. 行きたい学校、コースを選ぶ
2. 滞在先の確保
3. パスポートとビザの取得
4. 渡米
以上がそれぞれの大まかな準備の流れになります。
他にも渡米する前には海外保険に加入したり予防接種を受けておくことが必要です。また、事前に英語の勉強をしておくと良いでしょう。
アリゾナのおすすめ大学
アリゾナ州にはたくさんの大学がありますが、ここではアリゾナ州の中でも有名でおすすめな大学を3校紹介します。
Arizona State University (ASU)アリゾナ州立大学
5つのキャンパスを持ち、約5万人もの生徒数を誇る全米でも最大規模の大学です。
メインキャンパスは州都フェニックス内のテンピにあります。キャンパスはとても広々としていてきれいなことで有名です。
全米で最も革新的な大学第1位に5年連続で選ばれています。海外からの留学生も数多く来る名門大学です。
学業だけでなくアメリカンフットボールやバスケットボールなどの学生スポーツも盛んでプロ選手を数多く輩出してきています。
University of Arizona (UofA)アリゾナ大学
1885年に設立されたアリゾナ州で最も歴史ある州立大学です。
メインキャンパスのあるツーソンは州都フェニックスから南に車で2時間ほどのところにあり、優秀な教授が多いことで有名です。
卒業生にはノーベル賞やピューリツァー賞受賞者もいます。スポーツではライバルのアリゾナ州立大学と同様に数多くのプロ選手を輩出する名門校でもあります。
Northern Arizona University (NAU)
メインキャンパスを州都からの北に車で2時間ほどの観光都市フラッグスタッフに置く州立大学です。
アリゾナ州とはいえ北部にあるため夏は涼しく冬はキャンパスからすぐのスキー場で多くの学生が授業後にスキーを楽しんだりします。
広大な自然に囲まれた大学では約2万人もの生徒が在籍しリサーチ系の学問で高い評価を受けています。
Forbes誌からは最も費用対効果の高い学校の一つとされ特にビジネスや高額の分野で高い評価を受けています。
アリゾナ州への留学まとめ
いかがでしたか?ここではアリゾナ州の特徴やアリゾナ留学のメリット、デメリットを紹介しました。
温暖な気候のもと、様々な人が集まるアリゾナ州で送る留学生活はとても新鮮で刺激的なものになるでしょう。
広大な自然をすぐ近くに置き楽しみながら、様々な人種の集まるこのアリゾナ州で留学生活を送ってみることはいかがですか。