モントリオールは『北米のパリ』と言われるほどフランス文化が根付く街で、他の都市とは違う魅力を持っています。
看板やレストランのメニューなどにはフランス語が使われ、ヨーロッパ情緒あふれるかわいらしい建物が軒を連ねています。
バンクーバーやトロントと並ぶ大都市のモントリオールでは、英語だけではなくフランス語を学ぶこともできます。
今回はそんなモントリオールに留学するメリットやデメリット、おすすめの学校などを紹介します。
※カナダドルの円換算 1カナダドル=79.22円(2020年6月23日現在)
モントリオールの特徴と魅力
モントリオールはカナダのケベック州にあり、英語とフランス語が公用語として使われている都市です。
トロントに次いでカナダ第二の都市であるモントリオールは、カナダの歴史が始まった当初はフランス領土として栄えてきました。
秋の紅葉やノートルダム大聖堂などがあり観光都市として高い人気を集めるモントリオールは、日本からも多くの観光客が訪れます。
2018年6月からは成田とモントリオールを結ぶ直行便がスタートし、日本から約12時間で行けるようになりました。では、具体的にモントリオールの魅力を見ていきましょう。
ずっと見ていても飽きないおしゃれな街並みの美しさ
モントリオールの魅力はなんといっても、歴史を感じる美しい街並みです。
モントリオールには数多くの教会や歴史的な建物が建ち並んでおり、観光スポットとして高い人気を誇っています。
特にノートルダム大聖堂は特に有名で、歌手のセリーヌ・ディオンが結婚式を挙げたことでも知られています。
街中にはおしゃれなカフェやパン屋がたくさんあり、ゆったりとした時間が流れています。日本の生活の流れとは異なる独特ののどかな雰囲気に心が癒されます。
エンターテインメントの豊富さ
モントリオールでは大小問わず、さまざまなエンターテインメントが行われています。
『モントリオール国際映画祭』や『モントリオール国際ジャズフェスティバル』といった国際的なイベントが開催されています。
実は、日本人にも人気の『シルク・ド・ソレイユ』はモントリオールが発祥の地です。街中でも多くのアーティストが活動しており、美術や音楽といった芸術を身近に感じることができます。
建物の壁には美しいアートが描かれ、ストリートミュージシャンが活気のある音色を奏でています。
マルチなカルチャーを楽しめる
フランス語と英語がミックスするモントリオールでは、言葉だけでなく文化の融合も見ることができます。
歴史的な建物が建ち並ぶ一方で『モントリオール地下街』と呼ばれる巨大なショッピングモールがあります。
また、カナダといえばポテトに肉汁をたっぷり垂らしたプーティーンが有名ですが、実はこのプーティーンの発祥はモントリオールがあるケベックだと言われています。
洗練されたフランス料理とカナダのソウルフードであるプーティーンが共存するモントリオール。
ここには他の都市にはない豊かなカルチャーがあります。
モントリオールに留学するメリットとデメリット
トロントやバンクーバーに留学するのと、モントリオールへの留学するメリットやデメリットは少し異なります。トロントやバンクーバーとの違いと比較しながら見ていきましょう。
3つのメリット
【メリット1】フランス語と英語が学べて、マルチリンガルになれる
モントリオールに留学する最大のメリットはなんといってもフランス語と英語が両方学べることです。
モントリオールに暮らしている人の約7割がフランス語を母国語としていますが、住民の95%以上が英語とフランス語、両方を話すマルチリンガルです。
そのため、街中では「ボンジュール」とフランス語で挨拶されますが「ハロー」と英語で返せば、その後のやり取りは英語で行うことが可能です。
語学学校には、フランス語を母国語にするカナダ人が英語を学びに来ていることもあります。フランス語文化があるモントリオールならではの魅力です。
【メリット2】語学留学の穴場で日本人留学生が少ない
モントリオールはトロントやバンクーバーといった人気の留学先よりも日本人留学生の数が比較的少ないこともメリットです。
トロントやバンクーバーといった大都市はその利便性や日本人留学生へのサポートの手厚さといった点から、日本人が集まりやすくなります。
モントリオールも日本人留学生へのサポートを売りにしている語学学校もいくつかありますが、トロントやバンクーバーよりは少なくなります。
モントリオールはカナダ第二の都市で栄えていながらも、日本人率が低いので英語環境でしっかり学びたい人にとってはまさに穴場だといえます。
【メリット3】他の都市に比べて安く留学できる
モントリオールは他の大都市と比べると物価が安く、留学生が生活しやすい環境です。
シェアハウスの家賃は月300~600カナダドル(約23,700~47,500円)でバンクーバーの450~1,000カナダドル(約37,000~79,000円)と比較しても分かります。
リーズナブルに留学生活を楽しめるのはモントリオールならではの魅力です。特に、長期留学を予定している人にとっては生活に関する物価が安いことは大きなポイントです。
ワーキングホリデーの人にとっては、支出を抑えながら働いて収入を得られるのでまさにおすすめの都市であるといえます。
2つのデメリット
【デメリット1】冬の寒さが厳しい
モントリオールは稚内と同じ緯度に位置しており冬の寒さはとても厳しいです。
寒い日は-20~30℃まで冷え込むこともあり、雪もかなり積もります。10月末には雪が降り始め、一面の銀世界が翌年の4月頃まで続きます。
約半年間はそのような気候が続くため、寒さが苦手な人にとっては厳しいでしょう。
【デメリット2】中途半端な学びになりやすい
英語とフランス語が両方学べるということはメリットであると同時に、どちらも中途半端になりやすいというデメリットも持ち合わせています。
ただでさえ慣れない言葉の環境にいることはストレスにもなりやすいです。
どちらも学ぼうとしていっぱいになってしまい、留学生活が辛くなってしまうというデメリットも持ち合わせています。
モントリオールのおすすめの学校
モントリオール語学留学でおすすめの学校をご紹介します。
ATPAL Languages(アタパル・ランゲージズ)
ATPAL Languagesは英語とフランス語が学べる語学学校です。
他の語学学校とは異なり、授業の70%がスピーキングに充てられ、残りの30%がライティングやリーディングなどが行われています。
会話をする時に反射的に言葉が出てくるようにトレーニングを重ねることで、数か月の通学でネイティブのようにスムーズに会話を楽しめるようになります。
また、少人数制のクラス構成のため、先生からの丁寧な指導を受けることができます。

ALI(エーエルアイ)
ALIのプログラムでは、フランス語と英語をしっかりと基礎から学べるように構成されています。
モントリオールでは数少ない大学進学準備プログラムを行っています。英語またはフランス語圏の大学での生活や勉強に付いていけるように学びます。
また、放課後には無料のサバイバル英語とフランス語クラスを開講しており、授業では英語を学んでいるけれどフランス語も忘れたくない。またはその逆パターンなど、学生が充実した学びを深められるように配慮されています。
BLI(ビーエルアイ)
BLIはモントリオールとケベックシティにキャンパスがあり、英語とフランス語を学べるアットホームな語学学校です。
学校全体の日本人率も年間を通して10%未満という少なさで、ヨーロッパやラテンアメリカなど世界各国から集まった留学生と学べる環境があります。
BLIのモントリオールキャンパスは旧市街にあり、近くに観光名所で有名なノートルダム大聖堂があります。放課後も充実した時間を過ごせるロケーションです。

College Platon(カレッジ・プラトン)
College Platonは英語とフランス語だけではなく、イタリア語やスペイン語など20以上の言語学習に対応している語学学校です。
学生の約6割は海外からの留学生ですが、残りの4割は地元のカナダ人がフランス語以外の語学習得のために通っています。
そのため、留学生以外の地元のカナダ人との交流を持てるチャンスがあります。
この学校の魅力は、モントリオールにある他の語学学校より比較的リーズナブルで少人数制ということです。
McGill University(マギル大学)
マギル大学はカナダで最も歴史のある国内最高峰の大学です。カナダ国内の大学ランキングでは常に1位。
2019年のベスト・グローバル・ユニバーシティ-で43位(東大62位)というレベルの高さから「北のハーバード」とも呼ばれています。
卒業生に10名以上のノーベル賞受賞者を輩出しており、モントリオールの公立研究大学として数々の輝かしい成果を発揮しています。
大学付属の語学学校があるので、基本的な語学力を身に付けてから大学進学を目指すことが可能です。
生活や留学にかかる費用はどのぐらい?
モントリオールに留学する費用はトロントやバンクーバーといった他の人気の留学先よりもリーズナブルです。
モントリオールはカナダで語学留学をするのに最適の穴場と言えるでしょう。
- パスポート/ビザ申請費:約15,000~25,000円
- 航空券(往復):約10~20万円(直行便)
- 海外旅行保険:約1~25万円
海外旅行保険は滞在期間によってかかる費用が大きく異なります。慣れない海外生活ではストレスをかかえやすく、思わぬ怪我や病気が起こる可能性も高まります。必ず滞在期間をカバーできる保険に加入してから渡航するようにしましょう。
- 家賃:約25,000~8万円
- 生活費(食費・交通費など):約3~5万円程度
- 衣服代(防寒具など):約2~5万円程度
トロントも同様ですが、日本の寒さとは比べ物にならないほど冷え込むのがモントリオールの冬です。日本から持参した冬服だけでは寒さをしのげない場合もあります。カナダの寒さはカナダの防寒具で対策するのもひとつの方法です。
- 学費
学費は通う学校のスタイルによって異なります。語学学校の場合は通う期間を減らせば安く抑えることも可能ですが、カレッジや大学の場合は2年から4年という長い期間になるので、最低でも約300万円前後は年間で必要になるでしょう。
語学学校の場合(例:BLI フルタイムレッスンの場合)
入学金 | 150カナダドル(約11,700円) |
授業料(一週間) | 325カナダドル(約25,600円) |
【まとめ】語学留学で最適のモントリオール
カナダの中でもユニークな文化や歴史のある街モントリオールは、観光地としてだけではなく、留学先としてもたくさんの魅力を含んでいます。
特に、日本人の少ないグローバルな環境で英語やフランス語を学びたいという人にとって、モントリオールは最適の都市です。
一度の留学で二つの言語を学べるというなかなか他の都市ではできないことが可能な街で、ぜひ有意義な留学生活を送ってみてはいかがでしょうか。