アメリカやカナダ、オーストラリアと並ぶ人気の留学先イギリス。「アメリカ英語」と「イギリス英語」と言われるぐらいアメリカとイギリスは似ているようで実は全く異なる文化や特性を持つ国です。
「イギリス留学のメリットは?」「イギリス留学で学べることはどんなことがある?」と思う人も多いのではないでしょうか。
今回は古くから留学生を受け入れてきたイギリス留学の魅力やメリットとデメリットを紹介していきます。
※ポンドの日本円換算 1.00ポンド=134.19円(2020年7月4日現在)
イギリスの特徴や魅力
観光と留学の人気の国イギリスは、実は「イングランド」「スコットランド」「ウェールズ」「北アイルランド」の4つの地域から成り立つ連合国です。
それぞれの地域ごとで独自の議会と法律があり、話されている言語も異なります。
もちろん公用語は英語ですが「スコットランド語」「ウェールズ語」「アイルランド語」といったこれらの言語も同じくイギリスの公用語です。
ひとつの国の中にさまざまな文化と言語が混ざり合い、古い歴史と最先端のテクノロジーが共存しているのがイギリスの特徴です。
古くからの歴史と時代の最先端をリードする技術が融合する不思議な魅力
イギリスにはビッグベンやバッキンガム宮殿といった歴史的な建物や文化がたくさんあり、そういった歴史を重んじ大切にしています。
それと同時に、時代の最先端を行く科学や技術の発明や研究が行われている国でもあります。
観光地として歴史的な観光スポットを楽しむこともでき、留学先として自分の興味のある分野や学びたい研究ができるのはイギリスならではの魅力です。
ヨーロッパ諸国とのつながり
イギリスは日本と同じ島国ですが、ヨーロッパ諸国の玄関口として世界中の人が訪れます。
イギリスとヨーロッパの間には海峡トンネルがあり、空路だけではなく陸路でも手軽にヨーロッパ諸国に旅行ができます。
例えばパリまでは飛行機でも陸路でも約2時間。エジプトやモロッコといった北アフリカの国へも6時間、同じくニューヨークも6時間で行けます。
「イギリスに来たついでにちょっとそこまで」ができるのは大きなメリットです。
ユニークな文化やエンターテインメントが充実している
イギリスは世界各国、特にヨーロッパやアフリカ圏からの移民を多く受け入れています。そのため、豊かな文化が集まっています。
また、有名大学への進学を目指して多くの優秀な留学生も世界中から集まります。
さまざまな価値観や文化、宗教観などを持つ人が集まり、ひとつの国をつくっているダイバーシティは日本ではなかなか見られない光景ですよね。
イギリス留学のメリットとデメリット
日本人がいく留学先として人気のイギリス。
イギリス留学が人気の理由は数多くのメリットにあります。
ここでは、特に特徴的な3つのメリットと、注意するべきデメリットを併せて解説。
イギリス留学をお考えならば、ぜひ参考にしてください。
3つのメリット
世界最高レベルの教育機関が集まっている
世界的に有名なオックスフォード大学、ケンブリッジ検定のケンブリッジ大学。
誰もが一度は耳にしたことがある超名門大学があることからしても、イギリスがいかに世界最高レベルの教育機関が集まる国かよく分かります。
それ以外の大学も世界大学ランキングで上位にランクインするところがいくつもあり、世界中から優秀な留学生が集まってきます。
そして、イギリスの大学で受けた学位は日本を含める世界各国で認められています。
それはこれまでイギリスが留学生を多く受け入れてきており、卒業生が各国で輝かしい活躍をしたことによる成果でもあります。
イギリスの大学教育は古くからの実績をもとしたレベルの高い教育内容で、学生の将来に多くの選択肢を与えてくれます。
幅広い専門知識を学ぶことができ、現代社会に必要なスキルを身に付けられる
イギリスでは専門学校を「ファーザー・エジュケーション・カレッジ」(Further Education College)といい、資格取得のための基礎からプロフェッショナルレベルのコースまで柔軟性に富んだプログラムが提供されています。世界に通用する資格が取得できるため、資格取得を目指す留学生から高い人気を集めています。
人気のコースは、イギリス発祥のアロマテラピーやフラワーアレンジメントから演劇や美容などさまざまで、それらの分野がさらに細かな学科に分かれています。
深めたい分野が決まっている場合、世界に通用するスキルと資格を取得できるイギリスの専門学校留学はおすすめです。
イギリスの専門学校には公立と私立があり、公立ではカレッジで幅広いコースを学び、私立ではひとつの特化した専門分野のコースを学ぶことができます。
日本人率が低い
アメリカやカナダは日本人留学生の数が圧倒的に多く「クラス全員が日本人」というシチュエーションに遭遇することも正直少なくはありません。
しかし、イギリスの場合、ロンドンを除けば日本人に出会うことはほとんどないので、英語環境にしっかりと身を置きたいと考えている人にとっては最適の環境だといえます。
イギリス(ロンドン以外)の学校の日本人率は約5%以下とかなり少ないのが現状です。留学生の国籍は主にヨーロッパや中東、アフリカ圏というバラエティーに富んでいます。留学の醍醐味である国際交流が持てるというメリットがあります。
ロンドン留学に関してはこちら⇒ ロンドンへの語学留学は魅力的なメリット満載。留学に必要な準備や費用も公開
2つのデメリット
天気が悪い
イギリスは地形的に不安定な気候になりやすく、一年を通して日照時間が少なく、曇りのことが多いです。
また、「一日の中に四季がある」と言われるほど、天気が短時間で変わりやすいという特徴もあります。「たかが天気」と思う人もいるでしょうが、太陽の光をしっかり浴びることができないと、気持ちが落ち込んだり体調を崩したりという健康障害につながることもあります。
そのため、必要な栄養素を補うためにサプリメントを使う、ジムで体を適度に動かすなどして日本にいる以上に健康に気を使う必要があります。
地域や人によっての英語の訛りが多様
イギリスにはさまざまなアクセントや訛りがあります。
例えば、ロンドン郊外だと訛りがかなり強いコックニー訛りというものがあり、これは留学生で聞き取ることは非常に難しいと言われています。
また、イギリスの公用語は英語ですが、ウェールズ・スコットランド・北アイルランドのそれぞれの地域ごとで独特の英語のアクセントや発音が存在します。中でもスコットランド英語はイギリス人でさえも聞き取りづらいという独特のアクセントがあります。
ちなみに私たちが耳馴染んでいるイギリス英語は主にイングランドの人たちが話す英語をさします。
イギリスのおすすめの語学学校
イギリスで日本人におすすめの語学学校をご紹介します。
LSI
LSIはイギリス生まれの語学学校で、現在では世界7カ国に16校のキャンパスを構えており、長い間多くの留学生を受け入れてきました。
イギリス国内ではケンブリッジ、ロンドン(セントラル、ハムステッド)、ブライトンの4か所にキャンパスを構えています。
4つのキャンパスはアクセスの便利なロケーションにあるので、博物館や美術館巡り、観光地への日帰りツアーといったアクティビティも充実しています。
IELTSやケンブリッジ検定といった英語試験対策からビジネス英語。キッズやジュニア向けのプログラムから大学進学準備コースまで幅広い目的に対応できるコースを提供しているのが特徴です。
また、この学校では、オンラインを効果的に活用し、自習や講師からの個別のアドバイスを受けるなどしてしっかりと英語が定着するようにしています。
https://www.lsi.edu/jp/
(LSI イギリス日本語HP)
Kaplan International English(カプラン・インターナショナル・イングリッシュ)
Kaplan International English(カプラン・インターナショナル・イングリッシュ)は英語圏6か国に37のセンターを展開する大手の語学学校です。
なんとイギリス国内にはオックスフォードやケンブリッジなど9都市に11校のキャンパスを構えており、自分の好みのロケーションに合わせてキャンパスを選べるのが特徴です。
まさに子どもからお年寄りまでを対象に幅広いプログラムを提供しており、期間も一週間の短期留学から半年以上の長期留学まで対応できる柔軟さがあります。
特にこの学校ではビジネスコースも充実しており、20代や30代など社会人のビジネスシーンで役立つ英語を学ぶことができ、ワンランク上の留学を経験することができるのも特徴です。
中でもロンドン レスタースクエア校はキャリアアップを目指す社会人に向けたビジネス英語を学ぶことができます。
https://www.kaplaninternational.com/jp/united-kingdom
(Kaplan International English イギリス語学留学 日本語HP)
OHC(Oxford House College)
OHC(Oxford House College)はオックスフォードストリート、オックスフォード、リッチモンド、ストラットフォード・アポンエイボンとイギリス国内に4か所に校舎を構えています。
優秀な講師のみを採用しており、質の高い教育を受けることが可能です。さまざまなニーズに対応できるように多様なコースが提供されています。
また、それぞれのキャンパスごとにユニークなプランが用意されていたり、土地の魅力を味わったりできるように配慮されたプログラムが行われています。
特にストラットフォード・アポンエイボン校はシェークスピアの生誕の地として知られており、シェークスピアの生家を徒歩で見て回ることができます。
学校はバッキンガム大学のパートナーでもあり、大学進学コースが充実しているというメリットもあります。
https://www.ohcenglish.com/country/UK
(OHC UK 公式HP)
イギリスのワーキングホリデー(YMS)とは?
日本は26の国とワーキングホリデー協定を結んでいます。(2020年7月現在)その中でもイギリスはカナダやオーストラリアと並んで人気の渡航先です。
しかし、イギリスの場合ワーキングホリデーそのもの定義や定員などが他の国と少し異なります。今回は、そんなイギリスのワーキングホリデーについて他の国との違いも比較しながら紹介します。
イギリスのワーホリビザYouth Mobility Scheme(YMS)の特徴
イギリスのワーホリビザはYouth Mobility Scheme(YMS)ユース・モビリティー・スキームと呼ばれ、就学と就労ができて最長2年滞在可能な正規の就労ビザです。
他の国はワーキングホリデーの「ホリデー」の部分に重点を置き、ビザの期限が一年間であることが多いです。
一方でイギリスは「働く」ことをメインにしており、定員も1,000人という限られた人数で申し込みも2日間で締め切られることなどから、毎年あっという間に定員が埋まってしまいます。
他の国では就労や就学の期間が決まっていますが、イギリスの場合どちらの期間にも制限がなく自由度が高いです。
こういった特徴から、イギリスのワーキングホリデービザ(YMS)はワーホリ協定国の中で最も入手困難と言われています。
「どうしてもイギリスにワーホリに行きたい」と次のチャンスを待つ人もいますが、他の国と同じように年齢制限が18~30歳までというリミットがあります。
ワーホリ(YMS)という形にこだわらず、語学留学や専門学校留学といった別の方法でイギリスへの渡航を目指すというのもひとつの方法です。
生活や留学にかかる費用
イギリスは場所によっては留学にかかる費用を抑えることができます。 今回は多くの語学学校が集まるロンドンの場合の費用を紹介します。
【航空券】約10~25万円(往復)
ロンドンは欧州の中心地として世界中から多くの航空会社が乗り入れてきます。
日本からも直行便が多く飛んでいます。料金は直行か経由か、夏休みや年末年始といったハイシーズンかなどによって大きく差が出ます。
費用を少しでも抑えたい人はハイシーズンを避けたり、経由便やLCCを使ったりすると安くなります。
滞在費 滞在方法によって異なる
ロンドンは家賃が高く、日本のように個人でワンルームのアパートを借りた場合、月に約12万円以上かかります。そのためシェアハウスで家をシェアする形が現実的です。
イギリスではシェアハウスをフラットシェアといい、一人暮らしをするよりも家賃を抑えることができます。
ロンドンでは月に£350~800(約4~11万円)程度です。その他にもホームステイや大学付属の学生寮、長期滞在者用のフラットホテルなど滞在方法によってかかる費用は変わります。
生活費
イギリスの付加価値税は20%と高額ですが、ほとんどの食材は無税か低い税率が設定されているので、食品は一般的な物価に比べて安価です。
自炊やスーパーのタイムセールなどを利用すれば生活費を抑えることができます。ちなみに一週間の食費の目安は一人約£40~50(約5,400~6,700円)程度です。
【海外旅行保険】約5~25万円(渡航期間や保険会社のサービスによって異なる)
イギリスでは6か月以上滞在する場合、留学生でもNHS(National Health Service)といういわゆる国民健康保険に加入できます。
学生の場合、年間で£150(約20,000円)かかります。
ただし、NHSの場合、診察までに時間がかかったり緊急の処置が必要な場合で私立の病院を利用しなければならなかったり(この場合NHSは適応外)とカバーしきれない状況もあるため、渡航前にしっかりと必要な補償のついた海外旅行保険に加入することを強くおすすめします。
まとめると、ロンドン留学の場合のかかる費用は1ケ月で約40万円前後と言われています。
ただし、ロンドン以外の郊外の街ではそこまで費用がかからないケースもあるので、費用を抑えたい人はロンドン以外の都市を候補に入れてみるのもひとつの方法です。
【まとめ】イギリス留学の魅力
イギリス留学では、英語力だけではなく、現代社会に求められる専門スキルまで習得することができます。英語プラスαの学びができるのがイギリス留学の魅力ではないでしょうか。
すでにスキルを持っている人は、さらにその分野を深めて世界に通用する資格を手に入れることができます。
これからスキルを身に付けたいと考えている初心者の人でも、基礎から学べる環境があります。語学留学としてだけではなく、生涯学習の機会としてイギリス留学に挑戦してみてはいかがでしょうか。