カナダの西海岸に位置するバンクーバー。カナダの冬は寒いというイメージとは異なり、バンクーバーの冬はそこまで厳しくなく、年間を通して過ごしやすいです。気候や治安の良さからバンクーバーはカナダの留学先として高い人気を誇っています。今回は、なぜバンクーバーが留学先として人気の理由とその魅力を紹介していきます。
※記事内のカナダドルの日本円換算は1.00カナダドル=79.06円(2020年6月17日現在)
バンクーバ-の特徴と魅力
バンクーバーは人口約200万人の都市で、トロントやモントリオールに次いでカナダ第三の大都市です。主な産業は林業と鉱業ですが、最近ではソフトウェア開発やバイオテクノロジーといった最先端技術も発展してきています。また、ハリウッドがあるロサンゼルスが近いこともあり、映画産業も盛んです。カナダはサマータイム(3月~11月)を導入しているため、バンクーバーと日本の時差は夏だと16時間、冬は17時間あります。
バンクーバーの3つの魅力
『世界で最も住みやすい都市ランキング』で常に上位ランクインしている
イギリスの経済誌『エコノミスト』が毎年発表する「世界で最も住みやすい都市ランキング」で、バンクーバーは常に上位にランクインしています。2019年は東京の7位を抜いて6位でした。2019年度に限らず、ほぼ毎年10位以内をキープしているバンクーバー。世界140カ国を対象にしたランキングで常にバンクーバーがランクインしているのにはしワケがあります。カナダの中では最も過ごしやすい気候であることは理由のひとつで、冬の最も冷え込む日でも氷点下になることはほとんどありません。また、質の高い教育を提供しているカレッジや大学、語学学校があり、教育にも力を入れていることも評価の理由です。
自然と都市が融合した都市
バンクーバーは少し郊外に出れば豊かな自然が広がっています。車で20、30分行けばウィンタースポーツが盛んな雪山に行くこともできたり、夏はカヤックを楽しめる湖があったりと自然を満喫できる環境があります。一方でダウンタウンにはビルがひしめき合い、マイクロソフトやアマゾンなど多くの有名企業がオフィスを構えています。また、ダウンタウンからバスや電車を使えばどこへでも行けるほど公共交通機関が発展しています。仕事帰りにビーチ沿いを散歩する人や、街中ではロードバイクで通勤する人もよく見かけます。人々がワークライフバランスをきちんと取りながら、伸び伸びと生活していることが分かります。
多民族がお互いのアイデンティティーを尊重し合える文化がある
バンクーバーに限らず、カナダ全土のことになりますがカナダは『多文化主義』を採用しています。これは、カナダが移民国家であり、それぞれの文化やコミュニティーを大切にしながら共に社会を築いていくことを目指したものです。特にバンクーバーはアジアへの西の玄関口なので、アジアから移住してきた人が多く暮らしています。チャイナタウンがあったり、日本食レストランやラーメン屋が多く建ち並んでいたりとバンクーバーにはアジアの文化が根付いています。もちろん、アジアに限らず様々な国籍の人がバンクーバーで暮らしています。そういった多民族がお互いのアイデンティティーを尊重し合う文化があることはバンクーバーの大きな魅力です。
バンクーバー留学のメリットとデメリット
カナダのバンクーバーは、留学先として非常に人気の都市です。
数多くのメリットがあることはもちろん、デメリットも確認することも大切です。
ここではバンクーバー留学する際の3つのメリットと、2つデメリットをご紹介します。
3つのメリット
なまりのないきれいな英語を学べる
カナダは日本人になじみのあるアメリカ英語が基準なので、日本人が学ぶのに最適の英語環境であると言えます。発音やスピーキングに特化した語学学校も多く、きちんとした発音を身に付けることができます。
日本食が手に入りやすいのでホームシックになりにくい
バンクーバーにはアジア人が他の都市と比べると多く暮らしているので、日本の商品を扱うスーパーが身近にあります。そのため、手軽に日本の食品や商品を手に入れることができるので、ホームシックになりにくいと言えるでしょう。
気候が穏やかなので生活しやすい
バンクーバーが他の都市と大きく異なる部分は、冬がそこまで寒くならないところです。トロントもモントリオールも冬の厳しさはまさにカナダの典型的なイメージ通りで、氷点下の日が続き、吹雪もあるようなシリアスなものです。しかし、バンクーバーの冬はどんなに寒くても氷点下に届くか届かないか程度で、雪の降る日は数える程しかありません。気候の穏やかさはバンクーバーで留学するのにあたって実は大切な部分です。
2つのデメリット
物価や家賃の相場が高い
バンクーバーがあるブリティッシュコロンビア州は年々物価が値上がり続けています。家賃、学費、食費といった留学生活にかかわるものが高いということは、特に長期留学を考えている人にとっては辛いところです。
雨季は毎日雨ばかりなので気が滅入る
先ほどはメリットとして挙げましたが、バンクーバーの冬はそこまで寒くならないので過ごしやすい一方で、雨期のため毎日天気が悪く気が滅入るというデメリットを持ち合わせています。10月後半から3月初旬ごろまでは本当に毎日雨ばかりで、太陽を見られる日が週に1回あればいい方というレベルで、この雨期の時期は現地の人でも鬱になる傾向が高まるほどです。
バンクーバーに留学するのにおすすめの学校
バンクーバーに留学するには、語学学校かカレッジ・大学に通う2種類の方法があります。
語学学校は、子供から大人まで幅広い年代の方でも語学留学できる学校。
カレッジ・大学は、そのまま大学の事を指します。
語学学校とカレッジ・大学、それぞれおすすめの学校をご紹介します。
おすすめ語学学校
カナダのバンクーバーで特におすすめの語学学校を3つご紹介。
International House(インターナショナルハウス)、VGC International College、Vanwest College (バンウェスト) 、St George International College (SGIC)。
International House(インターナショナルハウス)
<おすすめ>
・中学生や高校生など学生
・学校の夏休みや冬休みなどの長期休暇を利用して留学したい人
<特徴>
インターナショナルハウスは留学生500人が選んだ『Japan Best School Award 2020』で見事1位に選ばれた語学学校です。この学校が力を入れているのが「ジュニアプログラム」という5~17歳を対象にした子ども向けのプログラムです。夏と冬には「チルドレンアドベンチャープログラム」があり、個人ではもちろん、家族やグループでも参加できます。子どもたちが様々なアクティビティーを楽しみながら英語を学べるカリキュラムが整っています。
VGC International College
<おすすめ>
・カナダの大学やカレッジ進学を目指している人
・アカデミックな英語をしっかり勉強したい人
<特徴>
VGCには大学準備コースがあり、エッセイの書き方やプレゼンテーションの効果的な方法など、カナダの大学やカレッジで必要なスキルを学べる語学学校です。また、IELTSやTOEFLなど大学入学のために必要なスコアを取れるような対策コースも充実しており、カナダの大学やカレッジ進学を目指している人に最適な学校です。また、スタディーラボやライティングセンターといった授業時間以外にも質問できる環境が用意されていることも、より集中して英語を学びたい人にとって助けになります。
Vanwest College (バンウェスト)
<おすすめ>
・カナダでインターンシップを経験したい人、カナダでの就職を目指している人
・キャリアチェンジを目指す社会人
<特徴>
Vanwest Collegeは特にCo-opプログラムに力を入れている学校です。Co-opプログラムとは、在学期間中にインターンシップが経験できるプログラムです。学校で学んだ専門知識を実際に現場で活かせるので、カナダで働きたいと考えている人におすすめです。またビジネスやホスピタリティーなど幅広い専門分野を英語で学べるので、キャリアチェンジを目指す社会人にも適しています。
St George International College (SGIC)
<おすすめ>
・カナダの幼児教育や看護など専門分野について学びたい人
・日本人の少ない環境を望む人
<特徴>
St George International College (SGIC)は、カナダの幼児教育について学べるコースや医療英語など専門性に特化したプログラムを行っている語学学校です。日本の小学校などで英語を教えることができるTESOLの資格を取れるコースもあります。また、日本人比が10~15%とバンクーバーの他の語学学校に比べると低い傾向にあるので、日本人の少ない環境で英語をしっかり学びたい人におすすめです。
おすすめのカレッジ・大学
大学に通えば、英語だけでなく専門知識も学ぶことができます。
バンクーバーで特におすすめの大学を2つご紹介します。
UBC(ブリティッシュコロンビア大学)
<おすすめ>
・カナダの名門大学で心理学や環境学などを学びたい
<特徴>
UBC(ブリティッシュコロンビア大学)は特に心理学や環境学などで優れた実績を持つ総合大学です。カナダ国内では3位、世界の公立大学ではトップ20位に入る名門校でもあります。バンクーバーキャンパスは北米で最も広大とも言われるほど巨大な広さで、ガイドブックに観光スポットとして紹介されるほどです。名門校だけあって、入学条件の英語力はIELTSが6.5以上、TOEFL IBT80~90というかなり高い設定です。
BCIT(ブリティッシュコロンビア州立工科大学)
<おすすめ>
・ITやコンピューターサイエンスなどに関心があり、最新技術を学びたい人
・カナダやアメリカのIT企業で働きたい人
<特徴>
BCITはカナダで最大規模の工科大学で、コンピューターサイエンスや航空宇宙学の分野では最先端の技術を持っています。教育機関としてだけではなく、研究機関としての役割も担っているほど、専門性を磨き上げている学校です。最新知識や技術を学びたいという社会人学生も多くいるので、日本で同じような分野で働いていた人のキャリアアップにも適しています。卒業後の就職率も96%と高い数字を誇り、海外のIT企業に就職を目指す人におすすめです。
生活や留学にかかる費用
バンクーバーへの留学を決める時に気になるのがやはり費用のことではないでしょうか。先にも紹介したように、バンクーバーは他の都市と比べると生活費がかかります。
公立のカレッジや大学の学費も他の州の学費と比較すると年々高くなっている傾向にあります。生活費や学費は留学する期間や、滞在中に働いて収入が得られるかどうかなど様々な要因で異なりますので、目安としてご覧ください。
語学学校の学費
(参考:International House)
・入学金 150カナダドル(約11,800円)
・授業料(30インテンシブコース/1週間) 400カナダドル(約31,500円)
カレッジ・大学の学費
カレッジや大学は専攻するコースやプログラムの内容によって学費に大きな差が出るため大まかな費用です。
・カレッジ授業料(年間) 10,000~20,000カナダドル(約79万~158万円)
・大学授業料(年間) 10,000~30,000カナダドル(約79万~235万円)
- ビザやパスポートなどの申請費 約5万円
- 海外旅行保険料 約5~25万円
- 航空券(往復) 約7~20万円
- 生活費(住宅費・食費・交際費を含む) 約10~30万円(1ケ月)
【まとめ】バンクーバー留学のポイント
バンクーバーはカナダの中では最も日本に近い都市で、約8~10時間で渡航できます。
治安や気候の良さは勉強する環境として最適で、特に夏のバンクーバーはその美しさから多くの観光客、留学生から高い人気を集めています。自然と都市が共存し、様々な文化を経験できるバンクーバーでぜひかけがえのない留学生活を送ってみてはいかがでしょうか。
・バンクーバーの魅力
① 『世界で最も住みやすい都市ランキング』で常に上位ランクインしている
② 自然と都市が融合した都市
③ 多民族がお互いのアイデンティティーを尊重し合える文化がある
・バンクーバーに留学する3つのメリット
① なまりのないきれいな英語を学べる
② 日本食が手に入りやすいのでホームシックになりにくい
③ 気候が穏やかなので生活しやすい
・バンクーバーに留学する2つのデメリット
① 物価や家賃の相場が高い
② 雨季は毎日雨ばかりなので気が滅入る